コイ科 その2

採集場所で撮影したものや飼育している(していた)ものです。
※〜県=現地撮影 〜県産=水槽撮影です。

最終更新:18/5/28


カマツカ亜科

ヒガイ(ビワヒガイ?)

Sarcocheilichthys variegatus microoculus

ヒガイ属

写真
2005/撮影日不明 高知県

飼育すると、同種・他種問わず、よく他の魚の粘膜を食べてしまいます。
まったくやらない個体もいますが、やる個体は餌を変えようが何しようがやります。混泳には向きません。
なぜかどこで捕っても、背ビレや臀ビレに白いものが入っている個体が多いです。寄生虫でしょうか?

おいしいと書かれている本が多いですが、実際はそれほどおいしい魚ではないように思います。
脂が乗っていますが、骨が堅く、匂いに癖があります。
強いて言えば、ササノハベラなど外道系のベラに似た味です。

タモロコ

Gnathopogon elongatus elongatus

タモロコ属

写真
E1系統と思われる個体
2017/5/25 東京都多摩川水系

多摩川水系や荒川水系では非常にポピュラーな魚ですが、同じような環境でも山陽や四国ではあまり見かけなかったり、全く見なかったりもします。
他のコイ科魚類と競合関係があるのかもしれません。

タモロコは遺伝的にほとんど別種レベルに分化した3系統が存在することが判明しており、それぞれE1〜E3などと呼ばれています。中でもE3は絶滅したスワモロコそのものか、または極めて近い個体群と考えられるようです。
写真の関東平野に生息する個体群は淀川水系下流原産と言われており、系統としてはE1に属します。

温和な魚と言われていますが、以前多摩川水系産タモロコの幼魚たくさんをコリドラス・ステルバイの水槽に入れたところ、一夜でステルバイの背びれをほとんどかじってしまったことがあり、戦慄した記憶があります。何か特殊な条件が重なったためかもしれませんが、気をつけた方がいいでしょう。
コリドラス以外、また成魚ではそのような事故は聞いたことがないです。
そもそもタモロコを熱帯魚水槽に入れる人がそんなに大勢いるとは思えませんが…

なお、タモロコ属は元々カマツカ亜科に入れられていましたが、80年代に骨格の相違をもとにバルブス(モロコ)亜科に分類するという説が提唱され、比較的広く受け入れられていました。しかしmtDNAをもとにした分子系統分類ではカマツカ亜科に属するとの結果が出ており、現在ではカマツカ亜科に戻されています。ヒガイやモツゴ、カマツカに比較的近縁で、スゴモロコやニゴイとはやや縁が遠いとされます。

きれいな川で釣れた個体は外見に似合わず美味な魚で、唐揚げなどにして楽しめます。ただ、内臓は取り除いた方がいいでしょう。

スゴモロコ

Squalidus chankaensis biwae

スゴモロコ属

写真
2018/5/26 東京都多摩川水系

琵琶湖原産です。関東では利根川、多摩川など複数の水系に移入されています。多摩川水系では上流の奥多摩湖と下流域(登戸あたりより下流)に分布します。中流域では見たことがありません。
写真の個体がどちらのものかは言及を避けます。
高知県でも土佐平野の農業用水路、仁淀川水系支流のH川などに大量に生息していました。
海水魚のイワシやキス、カラシンのヘミオダスのような流線型がかっこいい魚です。飼いにくいというほどではないですが見た目通りやや繊細な印象があります。
渋魚通には見た目は満点ですが味は…それなりです。きれいな川ならタモロコは持ち帰りますが、本種は釣れても持ち帰りません。察してください。
食べられなくはないです。

種小名のchankaensisはおそらく中国とロシアの国境にあるアムール川水系のハンカ湖(興凱湖)のことでしょう。
多摩川水系でスゴモロコ属は他に15年ほど前にイトモロコS. gracilisを1匹だけ採集したことがありますが、その後報告がないため絶えたものと思われます。

オキシガスター(クセノキプリス)亜科

ワタカ

Ischikauia steenackeri

ワタカ属

写真

写真
2003/撮影日不明 岡山県産

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2004/撮影日不明 繁殖個体
仔魚

おそらく中型コイの中では最も繁殖が容易なもののひとつでしょう。
90cm以上の水槽で成魚のペアがそろっていれば勝手に産卵します。
稚魚はシラスのように脆弱ですが、成魚は慣れると殺しても死なないぐらい丈夫。

どの本でもまずいと書かれていますが、飼育していた個体を食べる機会があったので食べてみたところ、癖がまったくなく甘味があり、身離れもよく、脂もほどよく乗って非常に美味でした。
正直よくわかりません(ちなみに今まで食べて一番美味だった観賞魚はオスカー)

余談ですが、08年4月27日の「ダーウィンが来た」で、ワニガメが食べていたのが、なぜかワタカでした・・・

コイ亜科

コイ(導入型/ヤマトゴイ)

Cyprinus carpio

コイ属

写真
2005/撮影日不明 高知県

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2003/撮影日不明 購入個体
錦鯉です
どうしようもない魚。学生時代120cmレギュラーで飼ってました(どんな学生だろう・・・)
が、正直持て余しました。結局大学の水槽へ移住。
在来亜種の野生型(ノゴイ)は現在、純系は琵琶湖のみに残存しています。それ以外の地域では交雑でほぼ絶滅したものと思われています。

フナ類

Carassius spp.

フナ属

写真

写真
2008/撮影日不明 東京都多摩川水系
分布域・特徴(背びれ軟条数14)から判断するとキンブナC. buergeri subsp.だと思われます。

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